【書評】笑いと涙を届ける「結婚式の司会」という仕事

題名:笑いと涙を届ける「結婚式の司会」という仕事
〜新郎新婦にとって最高の一日を創るプロフェッショナルたち〜

著者:河合達明

出版社:幻冬舎 (2016/12/14)

この本を手に取ったのは献本いただいたからなのですが、私にとって実に興味深いタイトルでした。

みなさんそうだと思いますが、結婚式にはとても思い入れがあり、私自身の結婚式も結構なこだわりを持って挙げました。

私の場合、それは両親の仕事がブライダルにも関わり、小さい頃から結婚式の舞台裏に接する機会が多かったからだと思います。

そのうち私も提携先の関係スタッフとして幾つかの結婚式場に出入りした経験があります。

直接式や披露宴をみる事は少なかったものの、感想を聞いたり裏方からの目線でいろいろな意見を聞いていたので、いざ自分の結婚式となると、より厳しい目線を掛けて私の結婚式に携わったスタッフの皆様には相当な気苦労を掛けたと思っています。

どこかしら不満を見つけてしまうその中で、満足した部分といえば司会者のプロ意識の高さでした。

 

たまたま色々な県・会場で友人の結婚式に立て続けに出席しましたが、司会者さん方のレベルが凄い!!と実感していたところで出会った本です。

 

この本は、株式会社ブラス 代表取締役社長の河合達明さん著ですが、
数人の現役の司会者(スタッフ)の方が「結婚式の司会」について書かれてまとめてあります。

株式会社ブラスは、結婚式の司会の養成スクール・司会者の会社だそうです。
http://www.brass-wedding-mc.net

 

日本における結婚式は主に披露宴を指していますが、披露宴どころか結婚の儀すら省略するカップルが多いそうです。

1日の為に何百万円も使い、1年以上掛けて準備する。。。
それより今後の2人の生活のために。という意見をよく見かけます。

婚約指輪結婚指輪も同じだと思いますが、

私は『たった1日の為』に行うのではなく、『今後の長い2人の人生の為』に、1年と数百万円を使い、たった1日で表現するもの。だと感じました。

そして、念には念を入れて準備したものを、大切なゲストのみなさんに適切な表現方法で伝えてくれる存在が司会者だと思います。

もちろん、急いで結婚式を挙げるカップルも素敵に表現してくださいますが。

 

多種多様なカップル・ゲスト・状況に合わせ、その磨きあげた表現方法を駆使して空間をつくってくれる司会者の方々の想いや努力を知る、貴重な本だと思いました。

打ち合わせやマイクを持っていない時間も常に観察し、その情報を駆使して適切なタイミングで適切な量で盛り上げる。

あくまで主役ではないけれど、品位や華やかさを持ち2人をサポートする。

当日はたった2時間半程度のお仕事ですが、数時間の打ち合わせで2人と打ち解け理解して当日万全にして挑んでくださるには、相当な努力と苦労があると思いました。

 

1点だけ、本文にて何度か人前式について触れられていましたが、
キリスト式や神前式などと比べると、人前式は司会者としては結婚の式中の進行・表現などが関わってくるために、大変重要になってくるのは当然理解できるところですが、
ゲストの人に対して2人が誓いを立てるため、「思い入れが強いカップルが多い。」
というのは勝手な偏見だと思いました。

あえて反対意見を上げさせて頂くと、
従来はどうしてもチャペルで行うキリスト式や、着物を着て三三九度の人前式が主流で、
人前式は、おもてなしの心や周囲の人に感謝する気持ちが表れ、近年では大変人気がありますが、
信仰心の強い人や、式に対して最も重きを置きたいのであれば、人よりも神に誓う方が厳かになります。
そこの考え方や理解力で「思い入れの強さ」は何を選ぼうと人それぞれです。

また、人前式は、キリスト式や神前式に比べ、牧師さん・神主さん・巫女さん・コーラス・楽師さんなどなどの人件費が省けるため、価格もぐっと抑えられるのは大きなポイントです。

本文の中で気になる点といえばこの程度でした。

 

是非とも、司会者を目指す人はもちろん、結婚式場に携わるスタッフの皆様、これから結婚式を迎える方に読んでほしい1冊です。

 

 

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