TX州ドライバーズライセンス取得③ – 運転試験編 –

3回にわたって連載してきた運転免許取得の記事もラストを迎えました。今回は運転試験(Drive Test)の受験です。

 

■Drive Testの予約

テキサス州の運転試験を受けるためには、学科試験に合格後に予約を取る必要があります。予約はDPSのサイトから、受験するオフィスを選んで行います:
予約サイト:http://www.dps.texas.gov/administration/driver_licensing_control/rolodex/search.asp

 

郵便番号を入力すると最寄りのオフィスを表示してくれますが、オフィスによっては運転試験を実施していなかったり、2か月先でも予約が埋まっていることもあります。その時はちょっと遠くても大きなDPSオフィスで受けた方が無難です。大きなところであれば、1か月先くらいには受けることができます。

 

予約の手順は、

  1. DPSサイトから、運転試験を受験するDPSオフィスを選ぶ
  2. 運転試験の注意事項を読み、予約に進む
  3. 予約サイトで電話番号を入力する
  4. 受験する時間帯を選択する(20分刻み)
  5. First Name / Last Name / E-mail address を入力する
  6. Driver License No.(DL/ID/UNL Number)を入力
  7. 予約完了

4の後にテキストメッセージ、5の後にE-mailが送られてきます。
6の後にWEBに予約情報が表示されるので、印刷しておいた方がいいでしょう。

 

■車の準備

基本的に自分の車で受験しに行けばOKです。但し、いくつかの条件があるので確認が必要です。例えば、

  • 車両登録のステッカーが貼ってあること
  • 車両前後ともナンバープレートが装着されていること
    • ただし、正式に州に登録されている場合は両方でなくても良い
  • 故障や整備不良がないこと。改造車ではないこと
  • その他条件を満たしていること(下記URL参照):

<http://www.dps.texas.gov/DriverLicense/documents/drivingtestrequirements.pdf>

 

親の車や友人の車などでもOKですが、受験者が車両保険の適用対象に含まれているかは確認が必要です。

 

ちなみに、レンタカーで受験することもできます。その場合は車の制約は緩いようですが、保険が十分カバーされているかの確認は必要です。レンタカーを借りるときに、ドライビングテストを受ける旨を伝えて確認してもらうといいでしょう。

■持っていく書類

ドライビングテストといっても、いくつかの書類を持っていく必要があります。

  • 申込時のレシート
  • 車両保険の書類
    • 電子データではNG。紙で準備が必要

受付と受験に必要な書類は上記の二つだけですが、念のためドライビングテストの予約情報と、車両登録の書類をもっていっておくと安心だと思います。(後者は車に乗せていると思いますが)

 

レシートに関しては、支払いから90日間が有効期限です。それを超えた場合は再度支払いが必要なので注意が必要です。学科試験後だいたい1か月後にしか予約が取れないので、運転試験のチャンスは3回くらいと思っていいと思います。

 

 

■受験の流れ(試験受付)

1時間くらい前に会場に到着して、受付を行います。私が受験したところでは、事務所に入って列に並び受付を行いました。機械もありますが、そちらは学科試験申し込みなどの受付のようです。

試験情報では1時間前に会場についておくように書いてあるのでそう書きましたが、実際は30分くらい前にならないと受験ができません。空いていれば1時間前でも受験できますので、一回受付に行ってみるといいと思います。

 

受付が終わったら、車に乗って試験官のところに行きます。試験開始前に車や保険の点検です。流れは以下の通りです。

  1. 挨拶して、保険の書類を見せる
  2. 試験官が車の前に移動
  3. ウィンカーを左、右の順に点滅させる
  4. ホーンを鳴らす
  5. 試験官が車の後ろに移動
  6. ウィンカーを左、右の順に点滅させる
  7. ブレーキを踏み、ブレーキランプを点灯させる
  8. 終了

ライトの点灯はなかったような気がしますが、事前にちゃんと点灯するか確認しておくといいでしょう。

 

■受験の流れ(運転試験)

車と保険の確認が終わったら、試験官が助手席に乗ってきて試験の説明をしてもらいます。どんな試験があるのかの説明ですね。私が受けた運転試験の項目は以下の通りです。

  1. まっすぐ、バックで下がる
  2. ポールとポールの間に、縦列駐車
  3. 45マイル制限の道路を走る
  4. 住宅地を走る

ざっくり書くとこの程度ですね。1, 2は試験場内で行いました。周囲の確認に気をつけておけば、大丈夫だと思います。

 

試験が終わったら、運転の総評をしてくれた後に合否を教えてくれます。
受かったら、試験官が仮免許のペーパーを印刷して持ってきてくれるので、記載内容を確認して、自分のサインを書いて試験官のサインを書いてもらいます。サイン後にそれを受け取ったら試験終了です。

 

3週間後くらいに免許証が郵送されてきます。免許の有効期限はDPSに提出したI-94の期限日です。

 

■減点ポイント!

①周囲の確認とウィンカー

気を付けるのが、周囲の確認をしっかりやることと、ウィンカーをちゃんとつけること。
試験場内なので、縦列駐車のために停車するときと、縦列駐車を終えて出発するときに確認やウィンカーがおろそかになる可能性があります。これらは減点対象です。

 

②右折時の幅寄せ

日本では左折するとき極力左側に車を寄せて直進の車が行きやすいようにします。アメリカではこの考え方はせず、自分のいるレーンは自分が自由に使っていいという考え方のようです。
そのため、右折時でも直前までレーンの真ん中にいてOKです。むしろ、右に寄せると減点されます。(自転車が車道を走るからかもしれません)

 

私が受験したときは、試験官に右に寄れと言われて寄せたにもかかわらず、それを理由に減点されていました。マジ勘弁。

 

■まとめ

アメリカの事務手続きや、試験は本当に人によって対応や質が違います。変な人に当たらないならばいいのですが、当たってしまった時にはあきらめるしかないかもしれません。
妻曰く、最初に笑顔であいさつすれば優しくしてくれる!とのことです。フレンドリーにいきましょう!!

運転免許取得編は、今回で終了です。
次は、約2年後の運転免許の更新の時に記事にさせていただきます。

 

Miya旦那

 

 

TX州ドライバーズライセンス取得① – 準備~学科試験編 –

 

アメリカで生活するにあたって、車は必須アイテムです。
旅行や半年程度の駐在であれば、国際免許でも問題ないのですが、1年以上の滞在の場合は運転免許の取得が必須です。また、サンフランシスコやニューヨークだったらバスや電車で生活しても問題ないのですが、そんなところに住めるのは一握りですので、例外としましょう。

今回から、3回に分けてTX州の免許証の取得についてまとめます。
今回は学科試験を受験するところまで、
2回目は学科試験のコツや勉強方法、
3回目はドライビングテストの紹介を行います。

 

■運転免許取得の必要性

運転免許を取得する大きな理由は3つあります。

1つ目は、テキサス州では、他州の運転免許は3か月間しか有効ではないということ。
つまり、他州から引っ越してきた人は3か月間の間にTX州の免許を取得する必要があります。
厳密に定義されているわけではありませんが、日本の国際免許を持っている人もこの範疇に入ると思っておいた方がいいでしょう。

2つ目は、州が発行している運転免許を持っていると身分証明にもなること。
パスポートを持ち歩く必要がなくなるという点でも、免許証を取得するのは非常にメリットが大きいです。米国国内旅行であれば、運転免許証だけでもOKです。また、パスポート・国際免許・日本の免許の3点セットを持ち歩くのは荷物になるし面倒です。

3つ目は、安心して運転ができるようになるということ。
アメリカでは人によって対応が全く違うということは以前の記事でも述べてきました。パスポート・国際免許・日本の免許の3点セットを持っていても、対応する警官によっては知らないといわれて無免許扱いされるそうです。
その場合は、最悪裁判所に行って異議申し立ての必要が出てきてしまいます。

早めに免許を取るメリットは、様々なデメリットを減らせることに尽きます。

 

■申込必要書類

日本からの出向者が免許を取得するためには下記のものが必要になります。

  1. 申込書類(DL-14a.pdf)
  2. 米国への滞在を許可する書類
  3. 身分証明書
  4. SSN
  5.  30日以上TXに居住していることを示す書類を2つ
    • 住宅契約書
    • 住宅保険
    • 公共料金の支払い証明(電気、水道、ガス、ケーブルテレビ、固定電話など)
  6. 車両登録証
  7. 申込費用:25ドル

 

2、3については、パスポート、Visa、I-94の3点セットでOKなはずです。
2は、WEBに以下のように書かれています、Foreign passport with attached visa and Form I-94。
3については、2に加えてパスポートの入国スタンプを見られているようです。

5に関しては、住宅関係の書類を持っていくことをお勧めします。これに関しては、銀行のチェックやTX州の学生証でも良いようなのですが、実際に試していないのでよくわかりません。

6は、私が受付に行ったときには必要とされませんでした。妻の時も必要なかったので、申込では特に気にしなくてもいいのかもしれません。
おそらく、自分の車でドライビングテストを受けるときに用意しておけばいいのだと思います。

 

■申込受付手順

ここでも、SSN同様に待ち時間が非常に長いので、目を疲れさせない程度に暇つぶしができるものを用意しておくことをお勧めします。

  1. 最寄りのDPS(Department of Public Safety)へ行く
  2. 機械で受付を行い、待合場所で待機
  3. 呼ばれたら、窓口に向かい書類を提出
    1. 両手の指紋を取る(たしか親指でした)
    2. 免許に載せる写真を撮る
    3. 視力検査
    4. 申込費用の支払い(クレジット可)
    5. 支払いのサイン
    6. 支払いの領収証を受け取る(←非常に大事です)
  4. 別の場所でコンピュータによる学科試験を受験
  5. 帰る。

最寄りのDPSは、WEBサイトから検索できます。
<http://www.dps.texas.gov/DriverLicense/>

皆さん気になるのは、3と4だと思います。
また、簡単ですが参考情報(Tips)を載せておきます。

  • 写真の撮影は、眼鏡を外す必要があります。
  • 視力検査はあたかも両眼で見るような機械ですが、両目だと非常に見づらいです。機械の中に仕切りがあり、片目ずつ見るようになっています。片目を閉じて見る方がかなりよく見える仕組みです。
  • 支払いの時に記入するサインは、スキャンされて免許証に記載されます。事前に練習して綺麗に書きましょう。
  • もらった領収証は、ドライビングテストの時に支払い証明として必要です。自分の運転免許番号も記載されていますので、なくさないようにしましょう。免許が発行されたときはその番号が免許証に記載されます。
  • 学科試験の結果は後で自分では確認できません。しかも、合格したかどうかがよくわかりません。試験受験後に点数が表示されますので、写真に撮っておくといいと思います。ちなみに、30点中21点以上で合格です。
    • 合格しているかどうかは、受付の人などに尋ねればチェックしてもらえます。
  • 学科試験を受ける前に、25歳未満の人は講習を受ける必要があるらしいのでご注意ください。
  • TX州では、学科試験の受験について25ドルの支払いごとに3回のチャンスがあります。3回落ちたら、もう一度25ドルの申込費用支払いが必要です。
  • 学科試験の後は、係員の人は何も言いません。勝手に帰りましょう。

 

 

学科試験は抜け道もありますので、次回に紹介させていただきます。
なお、申込・学科試験とドライビングテストは別の日に行われます。学科試験を合格しないとドライビングテストの受験ができませんので、ご注意ください。

 

■申込トラブル事例

はい。皆さんお待ちかねのトラブル事例です。またかと思われるかもしれませんが、そんなもんです。

①Residencyの確認

SSNに引き続き、Residencyの確認が必要ということで申込の途中で追い返されました。この時は、写真を撮るところまでは済ませたのですが、視力検査と支払いは行いませんでした。
2週間後ぐらいにResidencyの確認書類が届くといわれましたが、実際は3週間後くらいになったと思います。それをもってDPSに行ったら、続きの手続きと学科試験を受ける形になりました。

 

②名前が違う

妻の申し込みの時ですが、パスポートなどを提出しているにもかかわらず名前のスペルが間違っていました。支払いを終えて領収書を受け取った後で気が付いたのですが、その場では修正ができませんでした。

最終的に、ドライビングテストを受け終えた後、免許証を正式に発効する前のタイミングで修正してもらうことができました。そのため、仮免許はスペルが違っていて、正式な免許では正しい名前という形になりました。

 

■まとめ

視力テストは両目だとあまりにも見にくくてびっくりしますし、学科試験の合否が分からないのもモヤモヤしました。
事前に知っていれば慌てず確認できると思いますので、皆さんも気を付けてください。

次回は、学科試験の勉強方法について紹介させていただきます。

 

Miya旦那

 

I94更新手続き – トラブル事例紹介 –

 

入国情報であるI-94は、入国審査でポチポチ入力されたら自動で更新されます。
VISAで入国している人は、この情報に基づいて滞在期間が設定されます。だいたいは、1日後には更新されているようですが、何か米国内の手続きに利用する場合、米国政府のサーバに届くまでは数日必要なようです。

 

観光ビザだと3か月、E2ビザだと2年(申告次第?)の滞在が許可されます。
私の所属している会社では、このI-94の情報を契約している弁護士事務所に連絡することで、滞在時にトラブルが発生しないようにしているようです。

 

■トラブル事例

はい。このI-94にもトラブルは発生します。私が遭遇したトラブルは、
『入国時のパスポートにはE2ビザで入国、滞在期限は2年後の日付が記入されているのに、WEBで確認したI-94では観光ビザで入国、滞在期限は3か月と記載されている』というもの。

基本的に、I-94はアメリカ国外から入国した際にしか更新されないのです。そのままだと3か月たったら不法滞在になります。絶望しました。
しかも入国したばかりでSSNの申請もこれからというところだったので、SSAオフィスでも『お前観光ビザじゃねーか。SSN作れねーよ。』と言われて追い返される始末。

 

内心では、
『あれ、3か月以内に海外出張の予定を作らないといけない?SSNも作れない?? (入国管理の)おっちゃん、フレンドリーにいい発音で「ハンダ(Honda)!」とか言っている場合じゃないだろ!仕事しろ!!』と思っていました。

 

■対応方法

会社の人事や、法律事務所の人に聞いてもわからないといわれたのでめっちゃ調べました。

方法①:入国管理局に直接赴いて、修正してもらう。

この方法は単純で、入国管理局がある空港や、大都市の入国管理事務所に行って交渉すれば修正してもらえるとのこと。
テキサスであればヒューストンン・ダラス・サンアントニオに行けば事務所があるらしいです。事前に電話して予約を取っておかないと、対応してもらえないこともあるらしいのでご注意ください。

入国管理局の所在地
<https://www.cbp.gov/document/guidance/deferred-inspection-sites>

私の居住地から最寄りはサンアントニオだったのですが、当時は英語にも、運転にも自信がなかったので二の足を踏んでしまいました。

 

方法②:入国管理局にEメールを送り、修正してもらう

最近は、入国管理局で問い合わせのためにメールアドレスが用意されていることがあります。システムの進歩は素晴らしいですね。

ヒューストンの入国管理事務局では、そのメールアドレスを利用して入国情報の不備を修正することができます。2015年1月からヒューストンの事務局でPilot Programが開始し、同年4月から米国内10か所程度で公式に情報不備の修正ができるようになったようです。

下記はI-94修正プログラムの紹介されているサイトです。
< https://www.huntonimmigrationlawblog.com/2015/04/articles/federal-agencies/cbp/cpb-now-offers-email-addresses-for-i94-correction-requests-at-some-deferred-inspection-sites/ >

修正に必要な情報は、

  1. A statement setting forth the issue and requesting that issue be resolved
    • 何を解決してほしいのか、どういう結果になってほしいか
  2. Passportの顔写真のページ
  3. VISAのページ
  4. Passportの入国スタンプのページ(最新のもの)
  5. 最新入国時の搭乗券、またはフライト情報
  6. 米国内住所および電話番号
  7. DHS 590フォーム(※)

DHS 590というのは、情報を他の事務局の人に公開してもいいか承認を取るための文書のようです。私が依頼したときは、(7)は送らないでも大丈夫でした。
メールの受付後、通常は1週間程度で情報が更新され、更新処理が完了したら通知のメールが届きます。通知のメールから30分後に新しいI-94情報が閲覧できるようになります。とはいえ、米国の事務処理期間は予測できません。私の場合、この件はメール送付の翌日には修正完了しました。

入国管理局が近くにある人は直接赴いた方が早いかもしれません。しかし、多少時間がかかるとはいえメールでも手続きができるというのは楽ですね。

 

■まとめ

ということで、SSNの記事に引き続きトラブル事例の紹介でした。会社の同僚も同じトラブルに見舞われたようなので、意外と珍しいことではないのかもしれません。
皆さんのトラブル解決の参考になれば、私の苦労が報われます。

 

 

Miya旦那

 

SSN取得 ~トラブルはアメリカの通過儀礼~

アメリカに赴任して、会社の人事からとにかく何度も催促されたのがSSN(Social Security Number)の取得です。
SSNは日本でいうところのマイナンバーのことで、税金の管理など様々なことに利用されます。

身近なところでいうと、

  • 運転免許証の取得
  • クレジットカードの作成

また、電気などの公共料金や、銀行口座とも紐づけされます。
かの有名なクレジットスコア(クレジットヒストリー)も、SSNの情報と紐づけされています。
これらは、信用社会のアメリカでコツコツと信頼を築くために重要です。

“SSN取得 ~トラブルはアメリカの通過儀礼~” の続きを読む